最新情報
東京2020パラリンピック開会式の
レガシーから生まれる、新たな冒険譚
振付・演出:森山開次
音楽:蓮沼執太
出演:和合由依 ほか
東京芸術劇場 プレイハウス
2025年11月下旬上演(予定)
多様な個性が躍動し、感動を呼んだ東京2020パラリンピック開会式。その中で"片翼(かたよく)の小さな飛行機"を演じたのは一般公募で選ばれた当時13歳の和合由依。個性豊かなパフォーマーたちが演じる乗り物との出会いを経て、勇気を出して飛び立つ感動の物語が描かれました。
2025年秋、その絆╱レガシーから新たな舞台『TRAIN TRAIN TRAIN』が生まれます。
開会式の演出・チーフ振付を務めた森山開次を演出・振付に、開会式でパラ楽団を率い豊かな音色を奏でた蓮沼執太を音楽に、和合由依をキャストの軸に迎え、障害の有無を超えた多様な個性が集うカンパニーが綴る、新たな冒険譚です。
舞台では車椅子の少女が不思議なSLと旅をする冒険譚を、圧巻の身体表現にさまざまな乗客や出来事との出会いを個性ゆたかなキャスト、アーティストが音楽や言葉を交えて多彩に綴ります。
そして、出演者オーディションの開催も決定。共に作品を作り上げる仲間を募ります!東京2020大会のレガシーを継承・発展させ「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」と世界陸上・デフリンピックが開催される2025年の東京を盛り上げます。ぜひご期待ください。
staff&cast
プロフィールをみる
2005年ソロダンス『KATANA』でニューヨークタイムズ紙に「驚異のダンサー」と評され、07年ヴェネチア・ビエンナーレ招聘。13年芸術選奨新人賞。同年文化庁文化交流使。20年新国立劇場バレエ団『竜宮』演出振付美術衣裳。21年東京2020パラリンピック開会式演出・チーフ振付。能・雅楽など伝統芸能とのコラボレーションや福祉施設に滞在しての映像制作など、実験的なプロジェクトに数多く取り組む傍ら、23年ドキュメンタリー「GIGAKU!踊れシルクロード」(NHK BS)前後編メイン出演、舞台『千と千尋の神隠し』カオナシ役、映画出演など、ダンサーと演出家の両面でジャンルを自在に横断した活動に取り組み、現代のダンスシーンを牽引するアーティストの一人である。2024年指揮者井上道義氏の最後のオペラ『ラ・ボエーム』演出振付美術衣裳で全国7都市公演予定。
メッセージ
錆びついた街から不思議なSLが発車する。現実と空想が入り混じる世界を、心と体を揺らして進む。どんな乗客を乗せ、どんな風景に出会えるのか。汽笛を高らかに響かせ、思いっきり蒸気を吹き出し駆け抜ける。最高の仲間たちと、新たな世界を紡ぎたい。
作品ノート
開会式直後 描いた一枚の「蒸気機関車の絵」から始まった。
出会った沢山の人びと/夢と願い 苦悩と困難 喜びと歓喜
式典は「最終目的地」ではなく、ここから旅が始まるのだと、心に刻んだ瞬間でもあった。
まだ、旅は終わらない
旅の続きをするために、次は列車に乗って旅立とう!と描いた絵だった。
踊りながら 繋がって まだ見ぬ世界を駆け抜けたい
この旅で 今度は どんな人たちに どんな風景に出逢えるのか 楽しみでならない
作品ノート全文をみる
今
旅立ちのとき
目の前に敷かれたレール その先に続く未来 曇天に覆われた空と心
少女は小さな勇気を胸に摩訶不思議なSLに乗って旅に出る
不思議な旅人たち
一つの出会いが、次の出会いに繋がり 連結して走り出す
人生は最初で最後のラストラン
さまざまな出会い まだ見ぬ風景 真っ暗なトンネル
小さなSLは 運命を高らかに奏でながら
まだ見ぬ世界へ 駆け抜ける
この「TRAIN TRAIN TRAIN」は、
東京2020パラリンピック開会式直後に、描いた一枚の「蒸気機関車の絵」から始まった。
あの場で出会った沢山の人びと
夢と願い 苦悩と困難 喜びと歓喜
様々な出来事があった。
だが 式典は「最終目的地」ではなく
ここから旅が始まるのだと、心に刻んだ瞬間でもあった。
まだ 旅は終わらない
途中駅であり 道なかば
旅の続きをするために、次は列車に乗って旅立とう!と描いた絵だった。
がったん!ごっとん♪ 揺られながら 時を巡り
がったん!ごっとん♪ 踊りながら 繋がって
まだ見ぬ世界を駆け抜けたい
私の命も 1つの出会いが 次の新しい出会いに導いてくれた。
出会いが世界と繋がって いつの間に 私を遠くに運んできてくれた。
命を運ぶ列車 錆びついた街から発車した 不思議なSL
現実と空想が入り混じる世界を、心と体を揺らして進む
どんな乗客を乗せ、どんな風景に出会えるのか
楽しみでならない
汽笛を高らかに響かせ、思いっきり蒸気を吹き出し駆け抜ける。
最高の仲間たちと、新たな世界を紡ぎたい。
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1983年東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、多数の音楽制作を行う。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを制作する。主な個展に「Compositions」(PioneerWorks 、ニューヨーク/2018)、「 ~ ing」(資生堂ギャラリー、東京/2018)などがある。また、近年のプロジェクトやグループ展に「Someone’s public and private / Something’s public and private」(Tompkins Square Park、ニューヨーク/2019)、「FACES」(SCAI PIRAMIDE、東京/2021)など。最新アルバムに『unpeople』(2023)。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。東京2020パラリンピック開会式ではパラリンピック讃歌編曲及び障害の有無を超えたミュージシャンで構成されたパラ楽団を指揮。
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異文化の人やコミュニティをつなげ、対話や協働のプロセスで社会変革を試みる市民参加型作品を多く手がける。2010年に骨肉腫を患い障害福祉の世界に出会い、SLOW LABEL(現・認定NPO法人スローレーベル)設立。ヨコハマ・パラトリエンナーレ(2014,2017,2020)では総合ディレクターとして障害のある人の創作活動におけるアクセシビリティの仕組みを開発。2019年にはシルク・ドゥ・ソレイユの支援を受けて日本初のソーシャルサーカス団SLOW CIRCUSプロデュース。リオパラリンピック閉会式・旗引継ぎ式、東京2020パラリンピック開閉会式では、ステージアドバイザーとしてDE&Iを総合監修、東京芸術劇場社会共生委員、TBS「ひるおび」レギュラーコメンテーターなど。
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東京都出身。神⼾⼤学在学中に劇団☆世界⼀団(現sunday)を結成。映像や音楽を取り入れた言葉を発しない、ノンバーバルパフォーマンス集団THE ORIGINAL TEMPOのプロデュースを行い、エジンバラ演劇祭にて5つ星を獲得。その後、スロベニアや韓国、ドイツなどと国際共同製作を行い、海外からも高い評価を得ている。ストリートシアターフェスストレンジシード静岡など様々な演劇祭でフェスティバルディレクターを務めている。近年の代表作にミュージカル『チャーリーとチョコレート⼯場』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズなどがある。第49回菊田一夫演劇賞を受賞。東京2020パラリンピック開会式総合演出。
応援メッセージ
あの時、東京で、パラリンピックの開会式を、どういうものにするのか、したらいいのか、何度も何度も、たくさんの人と意見を交わした。
歴史に残るものにしないといけない、と言う人もいたし、まずは自分たちが楽しまないと、と言う人もいたし、障がいを持っている人たちの希望にならないといけないと言う人もいたし、日本の文化の力を見せないといけないと言う人もいた。
しかし、きっと開会式だって、そんなに重たいものを背負わされたって窮屈だろう。
まずは参加してくれるみんな、それぞれのいろいろな夢と事情に触れること。そして、その夢と事情を受け止められる大きなお皿のような開会式になること。それがなにより大事な気がした。
結局のところ“出し物”というのはその大きさに関係なく、理念やキャッチコピーでは作れない。そこにいるみんなの生きた夢と事情が積み重なってできあがる有機体だ。うまくいけば、脳のシナプスのように手と手を繋いで刺激を与え合い、そこから生まれる電気のひらめきとやる気がいつしか膨大なアイデアとなる。
あの時、生まれた、奇跡のような“出し物”は世界中に広がった。そして幸運なことに、見た人それぞれの夢と事情を乗せて、「片翼の飛行機の少女」のように空に羽ばたいた。
あれから3年、あの時に生まれた“夢”をさらに膨らませて、今度は“列車”に乗せて旅に出る。
最初に開次さんの絵を見た時の震えは今も覚えている。誰もがこの列車に乗りたいと思うだろう。一緒に旅に出たいと思うだろう。新しい仲間も乗せて、今度はどこに行くのだろう。
実現できた夢と、実現できていない夢がまだあって、僕はこの作品にそれを託したいと(勝手に)思っている(重くてごめん!)。
みんなのエネルギーが手を繋ぎスパークすればきっとそれが出来上がるだろう。
応援しています!期待しています!楽しみです!